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学会に参加してきました!!
2016年11月11日 | スタッフBLOG
素晴らしい秋晴れの11月5・6日、「世界鍼灸学会連合会学術大会東京つくば2016」に出席してきました。
新幹線からは冠雪した雄大な富士山を拝むこともでき、幸先の良いスタートとなりました。
この大会は、通称WFAS(World Federation of Acupuncture - Moxibustion Societies)といい、WHOと公式関係を持つ、非政府国際連合組織であり、日本を含む世界53か国191団体が入会している世界最大の鍼灸学術大会です。
今回、昨年のトロントに続き、日本では23年ぶり(前回は京都)の開催になります。
世界大会だけあり、32か国、1733名の方が参加され、東京近郊の学生の出席も多くみられました。
今回のテーマは「美しき鍼灸―持続可能なヘルスケアと養生」。
日本の鍼灸の特色のひとつでもある、各伝統流派の基調講演や実技セッションが各ホールや会議場で続々と行われており、お目当ての講演をできるだけたくさん見ようと広い会場を多くの参加者が移動する風景はなかなか壮観でした。
この人たちみんな鍼灸師なんだ!! 日常で一度にこんなにたくさんの鍼灸師みることないよな~
さすが世界大会だけあり、講演にはすべて日本語、中国語、英語の通訳が入り各国の参加者が熱心に聞き入っておられました。
講演の中で特に目についたのが、各国とも生殖補助医療と鍼灸の連携、欧米でも不妊治療と鍼灸とを併用する取り組みが医療機関で行われています。特にマタニティ期のつわりをはじめ、妊婦の不定愁訴に鍼灸が有効なのはなぜかというEBM研究も盛んなようです。
学会の楽しみの一つは、講演だけでなくポスタープレゼンテーションが行われること。
学生発表33件を含む244件ものポスターが会場2階のホールロビーに貼りだされ、鍼灸に関する様々な研究への取組みを発見することができます。そこには発表者の方もいらっしゃるのでその研究について自由に質問もできるんですよ。
先日ブログに登場いただきました藤本新風先生も、学会では実技セッション、ポスタープレゼンテーションで精力的に発表されました
学生や鍼灸初学者は、こんな中から興味のある研究分野や流派に出会うこともあります。
鍼灸界に長く生息している者にとっては、普段ご無沙汰している先生方と再会できる嬉しい場でもあります。
今回も学生時代や教員養成時代の恩師、以前講師をお願いしていた先生方など、懐かしい先生方にご挨拶させていただく機会を得ました。
最後に少し辛口のお話を・・・
市民公開講座も行われているにもかかわらず、一般の方の参加が少ないように感じたこと。
伝統鍼灸だけでなく、美容、スポーツ、生殖補助医療などあらゆる分野で鍼灸の有用性が示され、研究もなされているにもかかわらず、一般に訴求できずまだまだ受療人口が少ないこと。本当に残念です。
学生の皆さん、今回のテーマである「美しき鍼灸」を持続可能なものにするために、「ヘルスケアと養生」に寄与できる鍼灸師を目指してください。
ぜひ、学会にも参加してたくさんの成果と刺激を受けてくださいね。
早起きして学会2日目の朝の座禅の会にも参加。
座布団とは坐禅を行うためにつくられたもので、丸いのが正式だとか。
合掌は膻中穴で、坐禅の際に膝の上で組む手は気海穴に置くのが
気の流れが良くなり、一番安定するそうです。
禅道と鍼道は通じることが多いとのこと。なるほど・・・
学術の秋を満喫できた2日間でした。 ― category ―