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第48回日本医学教育学会大会 発表
2016年7月30日 | 行事・イベント
大阪医科大学にて、日本医学教育学会学術大会で発表をしてきました。50人くらいの医学部などの先生方が集まって頂きまして、発表を聞いてくれました。皆さん大変興味深そうに話を聞いて頂けて、良い発表になったと思います。
今後も学会発表を続けていきたいと思います。
久坂部羊 「セカンドベスト」 安楽死を考える授業研究
You Kusakabe-Second Best-Lesson study to think about euthanasia
田渕 悦次
Etuji TABUCHI
近畿医療専門学校 鍼灸学科
The Department of Acqupancture and Moxibusion Kinkiisen Vocatinal School,Osaka Japan
キーワード:安楽死 倫理教育 授業研究
【目的】倫理教育の教材化と実践授業を通して、効果的な倫理教育の方向性を考えていく。
【指導対象】鍼灸科学生 1年生 29名
【指導案】1. 「安楽死」「尊厳死」「東海大学安楽死事件」を説明する 2. 久坂部羊「セカンドベスト」を学生に朗読させる 3. 学生に自分の意見を考えて、小論文(300~400字)を書かせる
【教材】この苦しみを乗り越えれば、やがてよくなるというのなら、耐える意味もあるだろう。しかし、あとは病気が悪くなって、その先には死しかないのだ。命は何より尊いけれど、この苦しみだけの命を引き延ばすことに大義はあるのか。こんなに苦しんでいる本庄さんから、安楽死を求められて、ほかに苦痛を止める手立てもないのに、それを拒絶して良心は痛まずにいられるのか。わたしはどうしようもない思いで、三沢先生を見た。もし本庄さんを安楽死させるなら、麻酔剤で眠らせてから、筋弛緩剤で呼吸を止めることになるだろう。あるいは、眠らせたあと、塩化カリウムの注射で心臓を止めるか。いずれにせよ、違法行為だから、よほどのことがないと実行できない。しかし、本庄さんの場合は、その"よほどのこと"に十分、当てはまるのではないか。三沢先生は大きく息を吸い込むと、苦しそうに言った。「本庄さん。今の日本では、安楽死は許されないんです。でも、本庄さんがつらいのもわかってます。何とか考えますから、少し時間をいただけませんか」いったいどう考えるというのか。本庄さんがまたマスクを取る合図をした。「三沢先生。頼みます。先生しか、頼める人が、おらんの」それだけ言って、本庄さんは力尽きたように目を閉じた。(一部抜粋)
【結果】学生が書いた小論文の分類 1.安楽死賛成 2.安楽死反対 3.どちらにも決められない 4.本人が決める 5.本人や家族など立場によって違う 6.その他(動物の安楽死)
【教材使用文献】久坂部羊 「セカンドベスト」 『いつか、あなたも』収録 実業之日本社 2014年9月11日発行
日本医学教育学会 『医学教育』第47巻・補冊 平成28年7月4日発行p.172引用 ― category ―