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第3回 劉勇先生特別講義

2015年10月 5日 | 行事・イベント

劉勇先生による第3回特別講義が行われました。

劉勇先生は ビートたけし氏の顔面神経麻痺を治療したことでも有名な治療家でありながら、コリトレール株式会社の代表取締役会長兼社長も務められています。

5月に始まった鍼灸学科の学術顧問である劉勇先生の特別講座もこの9月30日で第3回を迎え、
第1回は違え、五十肩、第2回は肩こり、腰痛をテーマに学んできした。
そして、第3回目の今回のテーマは『顔面神経麻痺』。
臨床経験豊富な劉勇先生の実践的な鍼灸と手技を学びました。
顔面神経の麻痺には脳卒中などによる中枢性の麻痺とヘルペスウイルスなどによる末梢性の麻痺がありますが、今回は末梢性の麻痺に対する鍼灸治療です。

劉勇先生は中国ではペインコントロールを扱う麻酔科医ですので、その鍼灸治療も神経の走行や、筋肉の位置を重視したものになります。
顔面神経麻痺を治療する上で重要になるのは、麻痺した神経の機能を改善すること、神経が麻痺したことによって動かなくなった筋肉や唾液腺の萎縮を防ぐこと、です。
そのために先生が強調されたのは、鍼の向きと深さでした。
翳風は外耳道と同じ向きに、耳門は口を軽く開かせて少し深めに、など同じツボに鍼を打っても方向と深さが合っていなければ、効果は出ないとの教えのもと、実際に先生に鍼を打つお手本を見せていただき、そのあと、いよいよ参加者同士で鍼を打つ練習です。
顔へ鍼をすることは何度も練習して慣れていても、今回初めて経験する鍼の感覚に、あちこちで驚きの声があがっていました。
他にも、足に現れる反応点の場所やそこに対する鍼灸治療の仕方を教わりましたが、最後に劉勇先生得意の手技を教わりました。

IMG_7161.jpg

「神経が麻痺しているのだから、少し強めの刺激を与えて神経の働きを奮い立たせなければダメ」とのことで、翳風や迎香といったツボに力を込めて施術され、モデルになった学生も思わずのたうち回るくらいの痛さだったよう。
お互いに練習を始めると、鍼の時には聞かれなかった今日1番の歓声(悲鳴?)があちこちから聞こえてきましたが、全体的に楽しい雰囲気の中、講義が終了しました。

日本では鍼灸治療に顔面神経麻痺の患者が来ることは少ないですが、中国では多くの顔面神経麻痺の患者が鍼灸療法を選択します。
原因や発症からの時間にもよりますが、鍼灸は顔面神経麻痺に対して効果が現れやすい治療法の1つ。
きっちり学んで、いざというときにはしっかり鍼灸を勧めて、治療ができるようにしたいですね。
次回、劉勇先生による第4回特別講座は11月28日(土)、テーマは月経不順、月経困難症です。

鍼灸学科教員 菊地

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